「久米島の人と自然」

島の図書室で見つけた「久米島の人と自然」という本を読んでいます。
2009年から2012年にかけて行われた
「久米島応援プロジェクト」の成果と課題をまとめた本です。
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「久米島応援プロジェクト」というのは、多様な専門性をもつ研究者や実務家が協力して、
南西諸島での生物多様性保全モデル活動の展開と普及を図るため。
南西諸島の中からなぜ久米島が選ばれたかというと、
久米島は小さい面積なのに、
その成り立ち(昔は中国大陸と陸続きだった、火山帯、サンゴ礁など)ゆえに
生物の多様性が高く、固有種や絶滅危惧種も存在しているから。

いちばんの問題は、サトウキビ畑からの赤土の流出による環境汚染(7/7「赤土から海を守る」)。
その現状や問題点、対策がくわしく書かれていました。

いちばん心を打たれたのは次の部分です。
私も、このように願ってやみません。というか、願わない人はいないでしょう。
「球美(くみ)島と呼ばれた久米島は稲作の水田が広がる美しい風景がありましたが、
 その風景を取り戻そうという試みがあります。
 島で昔からの伝統である稲作は、水や土を留める栽培方法です。
 サトウキビ畑を赤土流出の心配の少ない、かつての棚田に戻すことによって、
 将来的に、島の高台から望む棚田とその向こうに広がるサンゴ礁の海の大変美しい風景が
 観光客を呼ぶかもしれません。
 さらに、ここで採れたもち米や、久米島産のベニイモなどを使った地元料理が味わえる、
 ステキな農家レストランやカフェができれば、個性的な地域産業として、
 話題になるだけでなく雇用創出にも貢献することでしょう。
 もとより、水田が復活することで、
 そこに生息していたトンボをはじめとした生き物が戻ってくるはずです。
 (中略)
 そして将来の世代にわたり、久米島の素晴らしい自然が残され、
 人々がその恵みを享受し続けられる、魅力にあふれた島になることを願ってやみません。」
                        -「第7章 久米島のこれから」より引用

うちのすぐ近くのサトウキビ畑で。大人の背丈よりも高くなっています。
あら収穫が始まったのかな、地域一番乗りだなと思ったら、様子がちょっとちがうんだなあ。
まずこの赤い車で刈り取る。
その後刈り取ったキビを吸い込み、粉々に粉砕して吐き出す。
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次に青い車が、粉砕されたサトウキビと土を混ぜていく。
肥料になるのかな。
でもわざわざ肥料にするために栽培はしないだろうし、
どうにも異様な気がして、声をかけられなかった。
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後日、気安い人に聞いたら、
できがよくなかったから見切りをつけて、次のものを植え付けるんだろうって。
「サトウキビもこれまでは取れ高で補助金が出ていたが、今は3段階で格付けされるから。
 100トンは収穫しないと食べていけんからさ。
 だから若い人は大型機械化に走るが、
 わしは70トンに抑えて、残りはベニイモを作っているよ。
 ベニイモは粉にして売りに出す工場があるからね。」だって。
サトウキビがだめになったら、何か他にこの島で作れるものはないの、と聞いたら、
あっさり「ないさ」と言われました。
「わしも若いころには牛を飼ったりもしたけどね。
 40万で仕入れて20万にしかならんかったさ(笑)。
 パイナップルは消費が少なくて、工場も潰れちゃったしね。」

サトウキビに補助金出すんだったら、
復元された棚田に補助金出してもいいんじゃないかなあ。
宇江城岳のすそ野に広がる水田。その向こうのサンゴ礁の海。
ぜひ見たいものです。
山里ゆんたくでピザ窯作っていたけど、
こめ粉パンならぬ、久米島産もち粉ピザ、どうかな。

農業って、ちょっと悲しいね。

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