比屋定の豆腐屋さんー豆腐編ー
ゆし豆腐の次は豆腐作り。
作業工程がたくさんあって、どれも力仕事です。
私の拙文ではとても十分に伝えきれません。
まずは、木綿の布を敷いた木箱にゆし豆腐をたっぶり詰め込みます。
豆乳がしたたり落ちます。
箱と箱の間の部分や木枠にのった分をお玉ですくって、上に盛り上げていきます。
焼き立ての食パンみたいな形になりました。
このあと1箱ずつ、中に敷いた布をひっぱりあげて包みこみます。
これもまた相当の力仕事のようです。
重い中味を引きあげながら、豆乳も絞り出して形を整える。
それからプレスをかけます。
しばらくしたら布を開き、またはみ出た分をお玉ですくって形を整える→包み込む→プレスの繰り返しです。
この1連の流れを3回も繰り返したらこうなります。
山盛りだったのが、木箱の高さぴったりにになりました。
いよいよ箱から取り出します。ころんと出てきます。まさにケーキです。
線に合わせてどんどん切っていきます。
中心の3つは1丁のままで、両側の角が円いものは、半分または4つに切ります。
1人暮らしのお年寄りも多いから、これくらい小さい方がいいんだって。
島内の店から注文があった分しか作りません。
この日の4分の1サイズの注文は15個。
16個作って、1個あまり。
そのあまり分は私に下さいました。
ほんと申し訳ないくらいの、大盤振る舞いです。
袋に詰めます。
いくら本土の豆腐より固いといっても
(使用する大豆の量がうんと多いのだそうです。だから本土の豆腐を食べると水っぽく感じるんですって。)
豆腐が、形を崩さずにいとも簡単に袋の中に入っていくのは驚きです。
最後はパックに入れて売る豆腐用です。
これはかためた後切り分けて冷水(5~9℃)にさらし、パックに詰めて封をし、冷蔵庫行きです。
だからお店に並ぶのは、当日の出来立てではなく、前日のものなのです。
それにしても2人とも、動きに一部の隙もない。
いくつもの作業が同時に、まさに粛々と進んでいきます。
実にかっこいい。まさに職人の仕事です。
ほんと、何かものを作りあげるって、いいな。
久米島に名だたる比屋定豆腐、お土産にもできないのが残念です。
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