大造じいさんと桜

なんと、まだ10月なのに寒緋桜が咲き始めました。
例年なら1月に咲く花だそうです。
台風が2つも続いたので、狂い咲きということもあるかもしれません。
ニュースによると、本土でもそうらしいですね。
でもね、狂い咲きというには、どの桜の木にも花がついているし、
つぼみがけっこう膨らんでいるんですよ。
どうなっちゃうんだろう。
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この桜、桃と見まがうような濃いピンク色の桜です。
散るときは、花の形のままでぽとっと落ちるそうです。
椿みたい。
久米島には、クメクレナイという椿の固有種がありますが、
椿よりも桜が先に咲くというのは、どうなのさ。
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5年生の国語の教科書に、椋鳩十の「大造じいさんとがん」が載っています。
最後の場面で、大造じいさんは、傷の癒えたがん(残雪)をおりから解き放ち、
おーい、がんの英雄よ、と呼びかけます。
仲間を助けるために戦った残雪に、次こそは正々堂々と戦おう、と。
その背景で白いすももの花びらがはらはらと散っているのです。
内地の人間なら、なんのこともなくわかる風景ですよね。
それがいかに心を打つ風景か。
そういえばこちらの人も、桜はやっぱり内地でしょ、と言っていました。
はらはらと舞い散る花びらといえば、たとえば卒業式、
別れではあるけれど、新たな出会いが約束されているような別れ。
でもね、椿にしても桜にしても、
はらはらと散らずにぽとっとかたまりのまま落ちるこの地では、
それは伝わらないでしょうね。
木の葉にしても、大きな葉がバサッバサッと音を立てて落ちるのですから。
ついでに言えば、
すももの花が散る季節の、身の引き締まるような冷涼な空気も。

ここは沖縄、ここではあたりまえのことなのに、
私にはわかっていないことがたくさんあるのでしょう。

おまけ。学校からの帰り道で見かけたすすき。
狂い咲いている桜より、この日この時に似つかわしい姿に、ほっとします。
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