島くとぅば(言葉)の優しさに包まれて

最近、「ゆたむに」という言葉を知りました。独り言という意味だそうです。「ゆた」は奄美・沖縄地方のシャーマンのことです。神の憑代として語る時の様子が独り言を言っているみたいということのようです。「朝比奈さん、またゆたむにしてる。」というふうに使います。1人暮らしだと、ゆたむにすることが増えるみたい。 体調を崩して、三線のおけいこを休みました。その連絡をしたら、三線の先生が心配してくれました。標準語の混じった島言葉だから、私には理解はできても再現はできないんだけれど、先生の言葉がとても柔らかで優しくて、心細い時だっただけに身に沁みました。学校の先生たちの話し方もそうです。声は小さめのうえ、語尾が「しましょうね」「あげましょうね」ですから。それからやたらと「大丈夫ですか」と聞かれます。私ってそんなに不安がられているのかなあと思っていましたが、軽い確認の意味でつかわれるらしい。もっとくだけた言い方だと「大丈夫ね?」となります。聞き返したりするときには「なにね?」となります。? はつけましたが、語尾が上がるわけではありません。むしろ下がるくらいです。好きだな、こういうやりとり。 もちろん優しいばかりじゃないんだけどね。「食べれ」「見れ」「投げれ」というふうに、動詞の命令形がe段でおわるんですよ。「やらす」「させる」などの使役の表現も、強すぎて怖いくらい。実際には「やってもらおう」「してもらおう」くらいの程度の強さのようですが。優しい言い方はすぐに身に付いて私も使えるようになったけど、命令と使役につい…

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スリランカ編のおまけ

JICAのホームページをチェックしていたら、「2019春募集のスリランカ国派遣取りやめ」のニュースが載っていました。理由は、4/21の爆弾テロ事件を受けて、今後の治安状況が不透明であること、だそうです。6/6の日付だったから、2次試験の面接直前です。ギリギリまで派遣の可否を検討したということなのでしょう。42件の派遣要請が水の泡と消えてしまったことになります。1次試験に合格した人たちは喜んでいたろうに、お気の毒ではありますが。 現在派遣されている人たちの帰国にまでは至っていないようですが、私の任期中でもバングラデシュで全員引き揚げがありました。チュニジアで同様の出来事に巻き込まれた人は、1週間後には出国という指示を受け、身辺整理に追われてきりきり舞いだったそうです。バヌアツでは、夜間外出禁止令は出たけど戒厳令までは出なかったし、やはり平和な国だったのでしょう。それにひきかえ今度行くかもしれない国ジャマイカは、乗り合いタクシーは危険だから、移動には自分で車を運転しろとか、なかなかなかなか・・・です。でも中米の国々はみんな似たりよったりなんじゃないかな。その分JICAのセキュリティ対策がしっかりしていて、必要ならば活動場所まで door to door で送り届けてくれるという情報もあるので、行くかもしれない国ではなく、行けるかもしれない国と言い直します。 本題に戻ります。スリランカ旅行でのこぼれ話ならぬこぼれ写真、ばらばらっと載せますね。まずは初日、バンコクで仮眠したホテルで渡された封筒。中に入…

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続・久米島で、上野千鶴子の式辞を読むことの意味

上野千鶴子の東大学部入学式式辞を読んで共感した点、(もしよかったら、1つめ「久米島はフェミニズムの島」についてはこちらをお読みください。)2つめの「変化と多様性に開かれた大学」について引用します。(改行は私。) あなたたちはがんばれば報われる、と思ってここまで来たはずです。ですが、冒頭で不正入試に触れたとおり、がんばってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています。そしてがんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください。あなたたちが今日「がんばったら報われる」と思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価してほめてくれたからこそです。(中略)  あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。(後略)私という人間も、多分こうやって作り上げられてきたんだなあと思って。そのうえでどうやって生きていくかということだけど、私、おおむね、こういう感じで生きていると思えます。私が選んでやってきたこと、これはこれでよかったんだなという感じ。この春JICAのシニアボランティアに応募して、1次試験は合格して、もし採用されるとなると行先はジャマイ…

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うーん、肉!

肉というよりもね、牛を食べたという感じ。塩コショウとにんにく、仕上げにワインという、私のいつものスタイルで焼きました。外側はミディアムでも、中は当然レアです。分厚いから。付け合わせはもちろん、同じくもらった野菜。ピーマンなんてすごく肉厚で、うれしくなっちゃう。バヌアツでもこんなふうにガツガツ食べていたのを思い出しました。まさか日本でもできるなんてね、夢にも思わなかった。 HKさんにもらったお肉ですが、職員室の冷蔵庫に入れて解凍中に、場所ふさいでごめんねという意味で、「みんなで切り分けるからね」と書いた紙を貼っておいたら、すごい反響。週明け、朝から何度「お肉いただけるんですか?」と声をかけられたことやら。野菜をもらうのには慣れっこになっている私たちも、魚や肉、とくに肉はめったにないことですから。切り分け担当は保健室のH先生。石垣島の酪農家の娘さんです。でも地元では、こういうのは男の仕事で、やったことがないんですって。それでも肉屋(石垣では、酪農家のことをこう呼ぶらしい)の娘の沽券にかけて、なのかどうか、H先生は、包丁を持って、まな板の上の肉の塊を前にして、石垣のお父さんに電話をし、お父さんの指示に従って、見事に切り分けてくれたのでした。写真は、肉と格闘するHさん。豚肉の方は、リブ(あばら骨つきの肉)ではなく、背骨の方でした。でも肉はたっぷりとついているので、オーブンでじっくり焼いたらどんなにステキだろうと思うものの、オーブンはなし、オーブンどころか魚焼きのロースターもあやしい状態なので、しかたない…

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バヌアツのことを知ってほしいな

学校では、月に1回くらいかな? 「先生の講話」の時間があります。講話といっても大げさなものではなく、テーマは担当の先生の自由だし、時間も10分くらいのものです。 これまでに私も2回担当しました。1回目は自己紹介も兼ねてバヌアツの写真を見せました。といってもカレンダーなので、美しい海の風景など観光写真です。2回目は12月、活動先のフレッシュウォータ小学校でのミニ音楽発表会の動画があったので、それを見せました。どの子も楽器に触るのは生まれて初めてだということ、楽器は日本の子どもたちが、卒業したりしてもう使わなくなった鍵盤ハーモニカやリコーダを寄付してくれて、それを国際協力事業団がまとめて送ってくれたものだということ、同じクラスなのに大きい子も小さい子もいるのは、入学する時の年齢がバラバラだからで、いつ入学するかは、うちに学校へ払うお金があるかどうかにかかっているし、せっかく入学しても、払うお金が無くなったら学校へは来られなくなること、等々。次から次へと思いつくままに話したのですが、みんな、こちらがびっくりするほど静かに、身じろぎもせずに見て・聞いてくれました。 「世界にはばたけウチナンチュ」という言葉があります。子どもたちを励ます言葉です。かつて沖縄では、ハワイや中南米への移民が盛んでした。戦後の苦しい時期を、彼らが支えてくれたのです。3年生の社会科の授業で、工場でものを作る仕事を学習しました。学校の隣りの工場で、久米島の湧水を使ってつくる泡盛は、久米島から那覇へ、那覇から大阪・東京へ、そして世界…

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久米島からバヌアツへーカレンダーの旅ー

学校で余ったカレンダーをもらって、バヌアツ・ナバンガ ピキニニ友好協会へ送りました。沖縄のカレンダーって、たとえばこんな感じです。ちょっと違うでしょ? ムーチーの説明だって、ちゃんとのっています。南太平洋の小さな島国、バヌアツ共和国。バヌアツの算数科のカリキュラムには、カレンダ―が取り上げられています。確か5年生だったかな。カレンダーの仕組みや読み方を学習します。1年は何か月あるとか、1週間は何日か、1か月の長さはまちまちだとか。 バヌアツでは、カレンダーは買うものです。ですからバヌアツの家庭にはカレンダーはまずないし、学校にもありません。まして教材として1人1枚ずつ手にするなんて、夢のまた夢。電力会社へ行って、サービスとして配布している小さいものを数枚もらってきた覚えがあります。今年の分はもうないけど、去年のものなら少しあるよ、ということだったので。教材ですから、去年のでもなんでも、みんなが同じものならよかったので。 私も一時帰国した折に集めて、活動先のフレッシュウォーター小中学校で配りました。大規模校なので、とても全部の教室には行きわたりませんでしたが。日本のカレンダーは紙の質もいいし、印刷もきれいなので、喜ばれます。日本の風景や文化に触れてもらう、というだけでも価値はあります。沖縄のカレンダーには、やはり沖縄の生活の香りがあります。こちらのほとんどの行事は旧暦で行われるので、実用的なカレンダーには必ず旧暦が載っています。沖縄のカレンダーを見たバヌアツの人が、あれ、ほかのカレンダーとちょ…

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