消えていく伝説

「生きている伝説」の続きです。チンベーさんの今後の成り行きです。 現在のチンベーさんは島袋さんという方で、お年は80歳を超えています。 先代のチンベーさんの後継ぎを決めるのはとても大変でした。なんといっても一族の女性という条件があります。だれでもいいというわけにはいかないのです。昔と違って、チンベーの職に就くことに対する経済的な裏付けはありません。逆に、島に住むことをはじめ、様々な制約がのしかかります。現代では、本人の自由意思も尊重されなければなりません。当時島袋さんは千葉かどこかにお住まいでしたが、とにもかくにも来島し、先代のチンベーさんについて10年修行をし、先代を継いで現チンベーとなったのでした。そして2013年8月には、13年ぶりの雨乞いの儀式をとり行ったそうです。この時の儀式を見た人の話はこちら。まるで時代絵巻の一場面のようです。とても現実のこととは思えないなあ。 さて次のチンベーさんですが、まだ決まっていないはずです。町役場はそうそう立ち入るわけにもいかず、親族の方たちの動きを見守るしかない。数人の候補者に声をかけたものの、軒並み断られたとか。そりゃあそうでしょう。けれども同様の状況で消えてしまった神事が、琉球でどれほどあることか・・・ もう1つの伝説。太陽石。我が家のすぐ近くの伝説の場所です。うちに帰るとき、島周回道路から中にはいる時の目印がこのサインです。このサインがあるから、夜暗くても大丈夫。これが太陽石。夕方撮った写真なので分かりにくいですが、背後には海が広がっています…

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生きている伝説

これ、読めませんよね?小さい字で振り仮名は付いているけど。沖縄の地名は読み方が難しいものが多いけれど、これは地名ではありません。君南平殿内と書いて、チンベードゥンチと読む。ちんべー様のお屋敷、という意味です。こんな建物です。内部の様子です。外の石灯籠といい、神社みたいですね。まあ沖縄神道の神社と言えないこともないですが。チンベーってなんなの、という話ですが、これはけっこう難しい話で、私にここを紹介してくれた人も「とても説明できない」ということで、博物館の学芸員の方を紹介してくれました。そのおかげで私もわかったような気にはなっているのですが、はたしてどうだか。がんばって説明を試みると、こうなります。 久米島では(久米島だけでなく沖縄では、かな)、祈りの領域は女の人がつかさどります。巫女さんというか、よりましというか、ノロと呼ばれる人がいて、女系で継承されます。ノロさんたちは複数人いるんだけど、その人たちを統べる元締めがチンベーで、琉球王家のキコエノオオギミの直属だそうです。キコエノオオギミというのも、たいていは当代の王の姉妹です。つまりチンベーは上級国家公務員の扱いで、領地も支給されていました。その昔琉球王府が八重山(石垣島)を攻めたとき、先導となってしきったのが時のチンベーで、論功としてチンベーが重く用いられるようになったとか。戦いに神意はつきものだからね。でもね、侵略軍のお先棒を担いだんだよ。八重山の人たちになんの恨みもないのに。沖縄の人たちは素直というか親切というか、受容的というか、こうしな…

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